外壁塗装を検討していると、「シリコン塗料」「フッ素塗料」という言葉を聞くことがあります。
見積もりの説明を受けたときに、
「シリコン塗料とフッ素塗料は何が違うの?」
「費用が変わるなら、どちらを選べばいいの?」
「長持ちする塗料を選んだ方がいいのかな?」
と迷われる方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装の塗料は、種類によって耐久性や費用感、向いている建物が変わります。
ただし、「フッ素塗料の方が必ずよい」「シリコン塗料で十分」と一言で決められるものではありません。
建物の状態、劣化状況、今後の住まい方、ご予算、外壁材との相性によって、選び方は変わります。
今回は、外壁塗装でよく使われるシリコン塗料とフッ素塗料の違い、特徴、費用の考え方、選び方のポイントを分かりやすくご紹介します。
1. シリコン塗料とは?
シリコン塗料は、外壁塗装で広く使われている塗料のひとつです。
費用と耐久性のバランスを取りやすく、一般住宅の外壁塗装でも検討されることが多い塗料です。
シリコン塗料は、極端に高耐久な塗料ではありませんが、日常的な住まいのメンテナンスとして選びやすい特徴があります。
| 特徴の項目 | シリコン塗料の内容・選定のポイント |
|---|---|
| 費用感 | 「他の高耐久塗料に比べて比較的コストを抑えやすい傾向」があります。初期の工事費用(イニシャルコスト)を低く抑えつつ、アクリルやウレタンといった低グレード塗料よりも格段に長持ちするため、非常にお財布に優しい価格帯です。 |
| 耐久性 | 「一般住宅の外壁塗装で検討しやすい耐久性(約10〜12年)」を備えています。次のライフイベント(お子様の進学や車の買い替えなど)に合わせたメンテナンス計画が立てやすく、定期的な点検を兼ねてお家を維持するのに最適な寿命です。 |
| 仕上がり | 実績が豊富なため「選べる色や艶(つや)の種類が非常に充実」しています。各メーカーから多彩なカラーバリエーションが発売されており、艶あり・艶消しの調整もしやすいため、好みに合わせた理想の外観デザインを再現しやすいのが魅力です。 |
| 向いている方 | 「工事の費用と品質(持ちの良さ)のバランスを一番に重視したい方」にぴったりです。「高すぎる最新塗料は手が出ないけれど、安すぎてすぐにダメになるのは嫌だ」という、賢く堅実なメンテナンスを行いたい施主様から圧倒的な支持を得ています。 |
シリコン塗料は、「できるだけ費用を抑えながら、外壁をきれいに保ちたい」という方に向いている場合があります。
ただし、同じシリコン塗料でも、製品によって性能や耐久性は異なります。
見積もり時には、どのような塗料を使用するのか、どの部分に塗るのかを確認しておくと安心です。
2. フッ素塗料とは?
フッ素塗料は、耐久性を重視したい場合に検討される塗料です。紫外線や雨風による劣化を抑えやすく、シリコン塗料よりも長持ちしやすい傾向があります。
そのため、「次の塗り替えまでの期間をできるだけ長くしたい」「長期的なメンテナンス回数を減らしたい」と考える方に選ばれることがあります。
| 特徴の項目 | フッ素塗料の内容・選定のポイント |
|---|---|
| 費用感 | スタンダードな「シリコン塗料よりも初期費用が高めになる傾向」があります。原材料であるフッ素樹脂が高価なため見積もり総額は上がりますが、その分1年あたりのコスト(対用年数で割った費用)で換算すると、実は非常にリーズナブルです。 |
| 耐久性 | 「長持ちを最重視したい場合に検討しやすい(約15〜20年)」という非常に長い寿命を誇ります。塗膜の分子結合が格段に強いため、酸性雨や過酷な気候から外壁材を長期間にわたって守り続け、家自体の資産価値を維持します。 |
| 色あせ | 「紫外線による塗膜の劣化や色あせを強力に抑えやすい」のが大きな強みです。太陽光に晒され続けても色の原子が破壊されにくいため、南向きのベランダや直射日光が激しく当たるお家でも、塗りたての鮮やかな美しさが長く続きます。 |
| 向いている方 | 「一回塗装した後は、長期的なメンテナンス(手間とトータルコスト)を減らしたい方」に最適です。あと20年は引っ越しや建て替えの予定がないご家庭や、何度も足場を組んで工事をするストレスを無くしたい施主様に選ばれています。 |
フッ素塗料は、外壁だけでなく、屋根や付帯部などに使われることもあります。
ただし、費用が高めになりやすいため、建物全体の工事内容とあわせて検討することが大切です。
3. シリコン塗料とフッ素塗料の違い
シリコン塗料とフッ素塗料の大きな違いは、主に耐久性と費用感です。
分かりやすく比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
|---|---|---|
| 耐久性 | 「標準的に検討しやすい耐久性(約8〜10年)」です。日本の住宅塗装で最も実績があり、一定の安心感を得られます。 | 「より長持ちを最重視しやすい耐久性(約15〜20年)」です。紫外線や雨風に非常に強く、長期にわたり家を守ります。 |
| 費用感 | 「初期の工事コストをグッと抑えやすい傾向」にあります。1回あたりの見積もり金額を低くまとめたい場合に最適です。 | 「初期費用は高めになりやすい」のが特徴です。ただし、耐久年数が長いため1年あたりのコストで考えると割安になります。 |
| 向いている考え方 | 「価格と品質のバランス重視」です。知名度や手軽さ、施工実績の多さによる失敗の少なさを求める方に選ばれています。 | 「圧倒的な長期耐久重視」です。一回の工事を高くしても、その後のお手入れや心配を長く無くしたい方に向いています。 |
| メンテナンス計画 | 「10年周期などの定期的な塗り替え」をライフプランに組み込みやすいです。お家の点検を兼ねてこまめに手をかけたい方向け。 | 「生涯の塗り替え回数を極力減らしたい」場合に大本命となります。足場を組む回数が減るため、トータルコストが浮きます。 |
| 選び方の注意点 | 「製品ごとの性能差や適切な施工内容を確認」することが大切です。シリコンでもメーカーやグレードによって耐久性に幅があります。 | 「現在の外壁材との相性や予算を確認」しましょう。ひび割れ追従性(塗膜の硬さ)や、ライフサイクルコストの計算が必須です。 |
どちらにもメリットがあります。
そのため、「どちらが上」というよりも、住まいに対して何を重視するかで考えると選びやすくなります。
4. 費用の違いはどう考える?
外壁塗装で塗料を選ぶとき、費用は気になるポイントです。
一般的には、シリコン塗料よりフッ素塗料の方が初期費用は高めになる傾向があります。
ただし、外壁塗装の費用は塗料代だけで決まるものではありません。
費用は、建物の大きさ、外壁の状態、劣化状況、使用する塗料、工事内容、足場の組み方、シーリング工事や付帯部塗装の有無によって変わります。
たとえば、同じ30坪前後のお住まいでも、次のような違いで見積もりは変わります。
・屋根塗装を一緒に行うか
・シーリング工事の範囲
・ひび割れ補修の有無
・雨樋や破風板など付帯部の塗装範囲
・使用する塗料の種類やグレード
・下地処理にどの程度手間がかかるか
シリコン塗料は初期費用を抑えやすい傾向があります。
一方で、フッ素塗料は初期費用が高めになりやすいものの、次の塗り替えまでの期間を長く考えやすい場合があります。
そのため、見積もりを見るときは「今回の費用」だけでなく、「今後どのくらい住む予定か」「次回の塗り替えをどのように考えるか」も一緒に整理しておくと安心です。
5. シリコン塗料が向いているケース
シリコン塗料は、費用と耐久性のバランスを重視したい方に向いている場合があります。
たとえば、次のような方はシリコン塗料を検討しやすいです。
・標準的な耐久性で十分と考えている
・今後も定期的にメンテナンスをしていきたい
・外壁だけでなく屋根や付帯部も含めて予算を考えたい
・過度に高耐久な塗料までは求めていない
シリコン塗料は、多くの住宅で選択肢に入りやすい塗料です。
ただし、日当たりが強い場所や、劣化が進みやすい環境では、もう少し耐久性を重視した塗料を検討することもあります。
6. フッ素塗料が向いているケース
フッ素塗料は、長持ちを重視したい方に向いている場合があります。
たとえば、次のようなケースです。
・長く住み続ける予定がある
・日当たりが強く、色あせが気になりやすい
・外壁の美観をできるだけ長く保ちたい
・長期的なメンテナンス回数を減らしたい
フッ素塗料は耐久性を重視しやすい一方で、初期費用は高めになりやすい傾向があります。
そのため、予算とのバランスを見ながら検討することが大切です。
また、外壁の状態によっては、どれだけ良い塗料を使っても、下地処理や補修が不十分だと仕上がりや持ちに影響する場合があります。
塗料の種類だけでなく、外壁の状態確認も大切です。
7. 塗料選びで失敗しないための確認ポイント
シリコン塗料とフッ素塗料で迷ったときは、価格や耐久性だけで決めず、住まい全体の状況を見て判断しましょう。
見積もり時には、次の点を確認しておくと安心です。
| 確認ポイント | 確認すべき理由・トラブルを防ぐ視点 |
|---|---|
| 外壁の劣化状況 | 「高級な塗料を塗ることよりも、下地補修が重要な場合がある」ためです。大きなひび割れ(クラック)や爆裂、雨漏りの兆候がある場合、どんなに良い塗料を塗っても数年ではがれます。見積書に「下地補修工事」が具体的に記載されているか確認しましょう。 |
| シーリングの状態 | 「サイディング外壁においては、防水の命とも言える大切な確認箇所」だからです。劣化しているのに補修が含まれていなかったり、費用を抑えるために「増し打ち」だけで済まされようとしていないか、事前に工法の確認(原則は打ち替え)が必要です。 |
| 屋根塗装の有無 | 「高額な足場代を2回払う損を避けるため、同時検討しやすい」絶好のチャンスです。屋根も外壁と同じように毎日紫外線を浴びて劣化しています。今回は外壁だけにして数年後に屋根を塗るとなると、足場代(約15万〜25万円)が丸々一回分余計にかかってしまいます。 |
| 付帯部の塗装範囲 | 「雨樋・破風板・水切り・軒天など、どこまでが金額に含まれているかの確認が必要」です。トラブルで多いのが「ここは別料金だと思っていました」という言った・言わないの相違。見積書の項目が「付帯部一式」ではなく、個別の部材名と数量で書かれているかがポイントです。 |
| 塗料のグレード | 「同じ『シリコン』や『フッ素』という種類でも、製品によって耐久性に大きな違いがある」ためです。メーカー名(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研など)と、具体的な商品名(例:〇〇シリコン)が見積書に明記されているかを必ずチェックしてください。 |
| 保証内容 | 「『何年保証か』だけでなく、その対象範囲や免責事項(年数と条件)を確認する」ためです。万が一、施工後3年で塗装がペリペリと剥がれてきた場合、無償で直してもらえるのか、自社保証なのかメーカー保証なのか、書面(保証書)の発行有無を契約前に約束させましょう。 |
特に注意したいのは、「塗料名だけで判断しないこと」です。
同じシリコン塗料、同じフッ素塗料でも、製品の特徴や施工内容によって仕上がりは変わります。
また、下塗り材が外壁材に合っているか、ひび割れ補修やシーリング工事が適切に行われるかも重要です。
8. 外壁だけでなく屋根や付帯部とのバランスも大切
外壁塗装では、外壁だけ高耐久な塗料にしても、屋根や付帯部の劣化が早く進むと、次回のメンテナンス時期がずれる場合があります。
たとえば、外壁にフッ素塗料を使って長持ちを期待しても、屋根や雨樋、破風板などが早く傷むと、結果的に別の工事が必要になることもあります。
そのため、塗料を選ぶときは、建物全体で考えることが大切です。
・付帯部にはどの塗料を使うか
・シーリングの耐久性はどう考えるか
・次回の塗り替え時期をどう合わせるか
このような点を確認しておくと、無理のないメンテナンス計画につながります。
9. 迷ったときは「何を重視するか」で選びましょう
シリコン塗料とフッ素塗料で迷ったときは、次のように考えると整理しやすくなります。
| あなたが一番重視したいこと | 検討しやすい塗料・工法 | 選定のアドバイス |
|---|---|---|
| 初期費用を抑えたい | シリコン塗料 | 「イニシャルコストの削減」を最優先する場合の王道です。予算内で最も手堅く、一定水準以上のキレイさを維持できます。 |
| 費用と耐久性のバランス | シリコン塗料 ラジカル制御形塗料 など |
「コストパフォーマンスを最大化」したい方向けです。特にラジカル制御形はシリコン同等の価格でさらに数年長持ちするためおすすめです。 |
| 長持ちを重視したい | フッ素塗料 | 「紫外線による色あせや劣化の防止」を最重視する場合のハイグレード選択です。日当たりの厳しい立地でも新築時の美しさを保ちます。 |
| 塗り替え回数を減らしたい | フッ素塗料 無機塗料 など |
「生涯のトータルコスト(足場代など)を抑える」賢い選択です。1回の費用は高くなりますが、次のメンテナンスを15〜25年先まで延ばせます。 |
| 建物全体で考えたい | 外壁・屋根・付帯部を含めて トータルで比較・施工 |
「家全体の寿命(耐久年数)の周期を揃える」ことが重要です。外壁だけを良くしても、屋根や付帯部が先に痛めば再工事で足場代が余計にかかります。 |
ここで大切なのは、「自分の家に合っているか」です。
塗料の性能だけでなく、住まいの状態、今後の暮らし方、ご予算、希望する仕上がりを合わせて考えることで、納得しやすい選択につながります。
10. まとめ:違いを知って、納得できる塗料選びを
シリコン塗料とフッ素塗料の違いは、主に耐久性と費用感にあります。
シリコン塗料は、費用と耐久性のバランスを取りやすく、一般住宅の外壁塗装で検討しやすい塗料です。
フッ素塗料は、より耐久性を重視したい方や、次回の塗り替えまでの期間を長く考えたい方に向いている場合があります。
ただし、どちらが正解というわけではありません。
建物の大きさ、状態、劣化状況、使用する塗料、工事内容によって適した選択は変わります。
「シリコン塗料とフッ素塗料の違いを知りたい」
「自宅にはどちらが合うのか相談したい」
「費用と耐久性のバランスを見ながら決めたい」
このような方は、お気軽にご相談ください。
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